
空き家を相続することは、さまざまな課題や選択肢に直面することになります。
このブログでは、空き家相続で直面する問題とリスク、資産価値を見極めるポイント、そして空き家の4つの主な活用方法(売却、維持管理、賃貸、リフォーム)のメリット・デメリットを詳しくご紹介します。
1. 空き家相続で直面する問題とリスク
空き家を相続する際には、多くの予期せぬ困難やリスクが発生することがあります。
特に、日本の過疎化が進む中で空き家が増え続ける現代において、適切な管理を行わないと深刻な負担を背負う可能性もあります。

固定資産税の負担
空き家であっても、毎年発生する固定資産税の支払いは避けられません。
土地や建物にかかるこの税金は、相続した人が責任を負うことになります。
特に、東京都のような交通の便が良い都市では税額が高くなる傾向にあるため、地域における税率について事前に確認しておくことが大切です。
また、未管理の空き家は税額が増大するリスクもありますので、空き家の維持にかかるコストがさらに増えることを考慮する必要があります。
管理コストとリスク
放置された空き家には様々な管理コストが発生する可能性があります。
- 定期的なメンテナンス: 草刈りや清掃は定期的に行う必要があります。周囲に悪影響を与えないためにも、きちんと点検を行うことが求められます。
- 害虫や不審者のリスク: 空き家は犯罪や不法投棄の温床になることが多く、これが近隣住民とのトラブルを引き起こす場合もあります。よって、このような危険を回避するためにも、近隣住民との良好な関係を築くことが大切です。
資産価値の低下
適切に管理されていない空き家は、時間とともに資産価値が急速に減少するリスクがあります。
例えば、屋根や壁が劣化して外観が著しく損なわれると、売却が難しくなります。
そのため、空き家の売却を考える際に、早めの行動が必要です。
法律的なリスク
管理が不十分な空き家は地方自治体から「特定空家」として認定されることがあります。
この認定を受けると、デメリットが生じる可能性があります。
- 固定資産税の軽減措置の適用がなくなる:特定空家に認定されることで、税負担が最大で6倍に増加することもあります。
- 行政代執行のリスク:空き家が周囲に悪影響を与えていると見なされた場合、地方自治体から強制的に取り壊され、その費用を負担することになるかもしれません。
空き家を相続する際は、これらのリスクを十分に理解し、事前に適切な対策を講じることが大切です。
早期に専門家に相談することで、最適な解決策を見つける手助けを得ることができます。
2. 相続した空き家の資産価値を見極めるポイント
相続した空き家の資産価値を正確に見極めることは、今後の活用方法や処分方針を決定する上で非常に重要です。

物件の所在地と周辺環境の評価
空き家の所在地は、その資産価値に大きな影響を与えます。
交通アクセス | 駅やバス停までの距離、公共交通機関の利便性 |
教育機関 | 学校や保育園などの教育施設の近接 |
生活施設 | 薬局、スーパー、病院など日常生活に必要な施設の有無 |
周辺の治安 | 周辺地域の犯罪発生率や治安状況 |
建物の状態と維持管理のコスト
空き家の建物自体の状態も、資産価値を大きく左右します。
築年数 | 古い建物ほど、修繕や改修が必要となるケースが一般的です。 |
構造や素材 | 耐震性、断熱性などの基本的な性能も評価の対象となります。 |
管理履歴 | 過去の修繕履歴やメンテナンスがしっかりと行われているかどうか。 |
市場価値の査定
資産価値を見極めるためには、専門家による査定を受けることが大切です。
- 不動産鑑定士の査定:プロの視点から市場価値を的確に評価してもらいます。
- 比較類似物件:周辺で類似の物件が最近どのくらいの価格で取引されたかを調べることで、相対的な価値を把握します。
自分自身で市場調査を行うことも可能ですが、専門家の意見を参考にすることで、より信頼性の高い情報を得ることができます。
相続の権利関係
相続に関する法的な要素も、資産価値に影響を及ぼす可能性があります。
- 共同相続:複数の相続人がいる場合、各自の権利を明確にしておくことが必要です。
- 遺言書の有無:被相続人が遺言書を残していたのかどうかも、権利関係を整理するうえで大切です。
これらの法的要素を整理することで、空き家の利用方法に対する意思決定がスムーズになります。
これらのポイントを基に、相続した空き家の資産価値を慎重に見極めることが、今後の計画や運用方法に大きな影響を与えることを理解しておきましょう。
3. 空き家の4つの活用方法を比較

相続した空き家をどのように活用するかは、多くの人にとって大切な決断です。
売却する | |
メリット | デメリット |
空き家を売却することで、即座に現金を得ることができます。 特に価値の高い不動産であれば、市場で良い価格で取引することが期待されます。 売却により、物件の管理費用や固定資産税を抑えられ、経済的な負担を軽減することが可能です。 売却益に関しては、最大で3,000万円の特別控除を受けられる場合があり、税金の面でも大きなメリットがあります。 | 長年大切にしてきた家を手放すことで、心理的なストレスが生じることがあります。 特に、思い出が詰まった家の場合、その感情は強くなるでしょう。 売却手続きには時間がかかることが多く、思うように進まない可能性もあります。 |
維持管理する | |
メリット | デメリット |
愛着のある物件を維持することで、将来的に家族がその家に住むことも可能です。 他人に所有権を譲らず、自分たちのライフスタイルに合わせて自由に管理することができます。 | 固定資産税や保険、日常的なメンテナンスなどが続き、長期間にわたって経済的な負担となる可能性が大きいです。 空き家が放置されるとその価値が低下するリスクがあるため、状態を良好に保つ努力が必要です。 |
貸す | |
メリット | デメリット |
空き家を賃貸物件として利用することで、収入が得られます。この方法は安定したキャッシュフローを確保する手段として適しています。 – 収益が得られることで、管理費用の一部を補うことができ、経済的な余裕を生むことが可能です。 | 賃貸物件として貸す場合、リフォームが必要になることがあり、そのために高額な初期投資が必要になる場合があります。 – 他人に貸すことで、将来的な売却の自由度が狭まり、売却のタイミングを逃すリスクも考慮しなければなりません。 |
自分で住む | |
メリット | デメリット |
家賃を支払う必要がなく経済的なメリットが大きいです。 家賃と比べて大幅なコスト削減が期待できます。 認知症や介護が必要になった際、家族が近くにいることで安心感を得られるでしょう。 | 古い家屋の場合、維持費や修繕費が想定以上にかかり、将来的な負担が大きくなる可能性があります。 名義変更や複雑な手続きが必要なため、計画的に進めることが大切です。 |
どの方法にもそれぞれのメリットとデメリットが存在します。
自分自身のライフスタイルや未来のビジョンに合った最適な選択をすることが大切です。
4. 空き家売却で使える!3,000万円の特別控除制度
相続した空き家を売却する際には、税金の負担を軽減するための「空き家に関する譲渡所得の3,000万円特別控除」という特別な制度が存在します。
この特例を利用することで、譲渡所得から最大3,000万円を控除できるため、要件を満たせば大幅に税負担を軽くすることができます。
空き家特例の基本事項
この特別控除制度は、相続や遺贈によって取得した空き家の売却に際し、課税所得から最大3,000万円を控除することができる制度です。
特例を適用するためにはいくつかの条件をクリアしなければならないため、事前に詳細を把握しておくことが大切です。
適用要件
- 被相続人が相続開始直前までその空き家に居住していたこと
- 1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された建物であること
- 譲渡時に一定の耐震基準を満たしているか、あるいは取り壊した後に売却されること
- 同じ被相続人による他の空き家特例が適用されていないこと
- 相続開始から売却までに、事業利用や賃貸、または自身の居住が行われていないこと
- 購入者が親族以外の第三者であること
これらの条件をしっかりと確認し、自分が適用の対象となるかを見極めましょう。
特例の期限
この特例を利用するには、相続発生から一定の期限内に売却手続きを完了する必要があります。
具体的には、相続が発生した翌年の12月31日までに売却を終えることが求められます。
これはスムーズな売却活動のための大切なポイントとなります。
特例の活用方法
空き家の売却を行う際に、3,000万円の特別控除を受けるためには、必要な書類を整える必要があります。
- 譲渡所得の内訳書
- 売却物件の登記事項証明書
- 確認書(被相続人居住用家屋等確認書)
- 耐震基準適合証明書や建設住宅性能評価書のコピー
これらの書類は、確定申告の際に提出が求められますので、あらかじめ準備を進めておくことが大切です。
令和5年度税制改正の影響
2023年には税制が改正され、空き家特例に関する適用要件や控除額の変更がありました。
相続や売却を検討している場合、早めのアクションが特例を最大限に活かすためのポイントとなります。
特に、相続人が3人以上の場合、特別控除額が1人あたり2,000万円に制限されるため、注意しましょう。
空き家を相続した際には、この特別控除制度を積極的に活用し、税負担を軽減することをおすすめします。
5. 困ったときの新制度!相続土地国庫帰属制度とは
相続土地国庫帰属制度とは、遺産相続や遺贈を通じて得た不要な土地を国家に返すために設けられた新しい制度です。
この制度は2023年4月から施行されており、相続した空き家や土地を管理する負担を軽減することが期待されています。

制度の特徴
- 国への所有権の移転:相続した土地を国に返還することにより、管理責任から解放され、固定資産税や土地維持にかかる負担の軽減ができます。
- 適用のための特定条件:全ての相続土地が対象ではなく、特定の要件を満たす必要があります。申請できない土地については慎重な確認が求められます。
利用要件
相続または遺贈の取得 | 土地は相続や遺贈を通じて得られたものであることが前提条件です。 |
土地の状態 | 空き家の存在している土地や担保権がない土地など、特定の条件を満たす必要があります。 |
審査が必要 | 申請するための土地には審査手数料と国庫への負担金が求められます。 審査手数料は一筆あたり14,000円で、さらに10年間の管理費用も必要になります。 |
申請できない土地の例
建物がある土地 | 国にとって建物を管理・解体することは負担となるため、このような土地は申請できません。 |
担保権が設定されている土地 | 担保権の行使を避けるため、こうした土地も申請の対象外です。 |
土壌汚染がある土地 | 汚染の管理は国にとって大きな負担となるため、こちらも対象外となります。 |
境界が不明または所有権に争いのある土地 | トラブルが発生しやすく、申請が難しいケースです。 |
制度のメリットとデメリット
😊メリット
- 管理の手間を大幅に軽減することが可能
- 固定資産税からの免除を受けられる
😢デメリット
- 申請対象外の土地が多いため注意が必要
- 建物が存在する場合は、解体手続きが必須
- 複雑な手続きと初期費用がかかる可能性
この制度は、不要な土地を相続した方々にとって、魅力的な選択肢となる可能性がありますが、相続する土地の状況をきちんと把握し、自分の状況に最適な選択を行うことが大切です。
まとめ
相続した空き家を抱える人にとって、さまざまな課題や法的リスクに直面することが少なくありません。
しかし、専門家のアドバイスを得ながら、空き家の資産価値を適切に見極め、メリットとデメリットを十分に検討することで、最適な活用方法を見出すことができます。
また、空き家特例制度の活用や、新しい相続土地国庫帰属制度の利用を検討することで、管理の負担を軽減し、税金の面でも大きなメリットを得られる可能性があります。
相続した空き家の上手な活用方法を見つけ出し、その所有者としての責任を果たすことが大切です。
よくある質問

Q1:空き家相続の際の主なリスクは何ですか?
空き家の相続では、固定資産税の負担、管理コストの発生、資産価値の低下、法的なリスクなどが主なリスクとなります。
これらのリスクを事前に理解し、適切な対策を立てることが大切です。
Q2:空き家の資産価値を見極めるためのポイントは何ですか?
空き家の資産価値を判断するには、物件の所在地と周辺環境、建物の状態と維持管理コスト、不動産鑑定士による市場価値の査定、相続の権利関係などを総合的に検討する必要があります。
専門家に相談することで、より正確な評価が得られます。
Q3:空き家の活用方法にはどのようなものがありますか?
空き家の主な活用方法としては、売却、維持管理、賃貸、自分で住むことが考えられます。
それぞれにメリットとデメリットがあり、自身のライフスタイルや目的に合わせて最適な選択をすることが大切です。
Q4:空き家の売却に活用できる税制優遇措置とは何ですか?
相続した空き家を売却する際には、「空き家に関する譲渡所得の3,000万円特別控除」制度を活用できます。
この制度を活用すれば、譲渡所得から最大3,000万円を控除できるため、大幅な税負担の軽減が期待できます。
ただし、適用要件を満たす必要があるので注意しましょう。
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